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2012/11/25 岩ケ池の弁天様

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2012.11.25

毎年10月30日は岩ヶ池弁天様(刈谷市)の霊大祭です。今年も弊社社長村山を始め、専務、常務、その他社員と共に参拝し、区長様はじめ祖母神社祭礼役員の方々、地元市会議員等の参列するなか厳かに執り行われました。
愛東運輸創立者、前田源吾は生まれ故郷であるこの地に住んだのは17歳までと、終戦前後の10年間だけでしたが、大正から昭和にかけての故郷の景観、風物、習慣や大自然のことごとくが失われていくのは、村を後にした者にとっては忍び難いと思い、ただ一つ残された岩ヶ池地区が風致地区として残されたのは、唯一の和みであり救いであった。


前田源吾は父曙次郎、母かまの次男としてこの世に生をうけたが、祖母は母親の顔を知らない源吾を不憫と思い、岩ヶ池にまつわる話をあれこれとよく聞かせてくれた。
そのせいか弁天様が祀られいてる岩ヶ池の風景は穏やかで温もりがあった。水清く青葉に包まれ、心が溶けるような和やかさであった。幼い頃からの岩ヶ池の風物は、語り尽くせるものではない。夢にも見た母親の温もりを感じていた。と述べている。


岩ヶ池弁天様の歴史は今から850年前の奈良時代とされている。昔は庄屋様や区長様が祭礼を執行されていて、もともと村の所管である。
しかし信仰心の強い前田源吾は人生に幾度かの転機があり、心身共に消滅せんとした時、弁財天によって人生再生に導かれたとして、1977年(昭和52年)旧社殿堂宇の再建普請を行った。
近年では平成3~4年にかけて、杁工事が行われ池の水が干上がったまま2年の歳月が経過したため、池周辺の自然が大きな変化をきたし、その上台風の影響で鳥居の基礎が洗われるなどの被害があったため、弁天島の護岸工事や土盛り普請も行った。


前田源吾は平成12年10月30日の弁天様霊大祭の日付で「顕現70周年 岩ヶ池の弁天様」を発行した。
御年88歳の米寿を迎えて、母親代わりの岩ヶ池に対する思いの集大成をこの書物にしたためた。文末追記には「弁財天と不動尊顕現70周年。米寿を期して一切の信仰の結願の年としたいと念願す。平成9年1月梗膜下血腫を患い、翌年は読むのが一頁、書くのが便箋一枚となったが、本冊子をもってすべてを終わり、後は何も考えない空白の日々を過ごしたいと思う」と結んでいる。
愛東運輸現社長の村山は義父に当たる前田源吾の憶いとその伝統ある会社の歴史を今に伝えていくために「本を忘れず、末を乱さず」の反始慎終の精神で毎年欠かさず霊大祭には参列している。 

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